Rorstrand
“SAR” bowl
designed by Carl-Harry Stalhane
20世紀の北欧を代表する陶芸家のひとり、Carl-Harry Stalhane/カールハリー・スタルハネ。
19歳という若さでその才能を見出され、ロールストランド社に装飾担当として入社。
グンナー・ニールンドのもとでに陶芸を学び、数々の実験を重ね、探究心のあったスタルハネは、ニールンドと共にロールストランド社の黄金時代を築き上げ、後にアートディレクターであったニールンドの後継者としてその役割を引き継ぎました。
焼き物でも小さなものばかりではく、タイルなどを用いた公共作品も数々残しており、今でも、スウェーデン トロルヘッタンにある広場には、タイルで制作された作品の噴水が、広場の象徴として設けられています。
こちらはシンプルですっきりとしたフォルムの”SAR”という名前が付けられたボウル。
紫がかった茶色のグラデーションの向かう先にあるのは丸く溜まった真っ黒な釉薬。
その奥には底の見えない深い深い穴がぽっかりと開いているようで、不思議な感覚を覚えます。
艶のある釉薬が使われているからでしょうか、素朴な中にも上品な深みがある作品です。