Thank you SoldOut
それまでヨーロッパで作られていた豪華絢爛な陶磁器のイメージを覆す、日常の中に溶け込むような素朴な陶磁器を作りだしたGunnar Nylund/グンナー・ニールンド。
19歳という若さでその才能を見出されロールストランド社に入社した後、ニールンドのもとで陶芸を学び、ニールンドの後継者となったCarl-Harry Stalhane/カールハリー・スタルハネ。
1930~50年代、アートディレクターとしてロールストランド社を牽引した20世紀の北欧を代表する陶芸家のふたり。
ニールンドの手から生まれたのは彫刻作品のように美しく繊細でありながら、使うものに寄り添うことが出来るような懐の深いもの。
そんな師であるニールンドの技術やデザインを踏襲しながらも、釉薬の表情をさらに追及し、より自由な感性によって作品を生み出したスタルハネ。
どちらも中国や日本の陶磁器から大きな影響を受けたと言われています。
特に、中国宋時代の福建建窯で作られた、窯変によって自然にできた斑紋を兎の毛のように見立てた「兎毫蓋(とごうさん)」、日本では「曜変天目(ようへんてんもく)」「禾目天目(のぎめてんもく)」と呼ばれる焼物からの影響が強く見られる作品が多くあります。
シンプルで使いやすく、量産ができるもの。
そして作り込まれたアート作品のような芸術的なもの。
機能美と造形美のふたつを表現、実現できる独自の製法を生み出したのがニールンドとスタルハネです。
美しい花を生けるための花瓶に派手な装飾は必要なのか、花の魅力を活かし、さらに引き立てるようなものであるべきではないのか。
よりたくさんの人に日常的に使ってもらえる使いやすい陶磁器を作りたい。
二人はそんなふうに考えたのではないでしょうか。
もはや骨董品のように貴重なヴィンテージの陶磁器はどうしても使うのが勿体なくて棚に飾って眺めることしかできない…
もちろんそれでもいいのです。
しかしもともとは日常使いのために作られたもの。
ニールンドやスタルハネのボウルが食卓に上がったり、フラワーベースに季節の花を飾ったり、トレイを灰皿に使ったり。
どうぞあなたの思うがままに使っていただけたらと思うのです。